FGカウントダウン三日前!




 ちらり、と伊織は携帯を見た。
宿題を片付けながら、何度目のことだろう。
何度見ても、日付は変わらないのに、それでも何度でも確かめてしまう。
今日の日付は――…、5月28日の月曜日。

「ってことは……、あと3日か」

後3日。
後3回寝て、3回起きればいい。
そんなことを考えたら今すぐベッドにもぐりこんで眠ってしまいたい衝動にかられたが、そういう意味ではない。
寝て起きても時間がたってなければ意味がない。
あと、3日。
その3日が、待ち遠しくてもだもだとしてしまう。
昼間、学校に行ったりバイトに行ったりと忙しくしているときはあまり考えなくてすむ。
だがこうして夜家に帰ってきて、宿題など気がノらないことをしていると、ついついそのことばかり考えてしまう。
あと3日で、また彼女に会えるのだ。
待ちに待ったデートの日がやってくる。
そう思うと、どうしたってテンションがあがってしまう。
そわそわと、落ち着かない気持ちになる。
今度はどこに行こう。
何をしよう。
どんなことをしたら、彼女は喜んでくれるだろうか。
TYBの大会が終わって、大体半年。
付き合いはじめて、約半年。
三日後のデートは、久しぶりの約束なのだ。
どれだけ楽しみにしたって、楽しみにしすぎているなんてことはない。

「早く31日になんねーかなー」

時よ早く過ぎてしまえ、と念じながら携帯を睨みつけて、目を閉じる。
次に開いたときには、せめて次の日ぐらいにはなっていてほしい。
……が、そんなことがあるわけもなく。

「ちぇ。28日のまんまか」

軽く唇を尖らせて、溜息をつく。
そしてそのまま視線が、開かれたっきり真っ白な手元のノートへと。

「……ヤベ。これ、提出期限いつだっけ」

ぺらぺらと走り書きのメモを探す。
そこに書かれていた提出期限は、5月31日。

「くっそ、全然進んでねぇし!」

提出しなければ、いろいろマズいことはわかっている。
だが、間に合わせるためには相当頑張らなければいけないことになるだろう。
そう考えると、提出日なんて来なければいいのに、と呪わざるを得なくなるのだが……。

「だぁああっ、31日つったらアイツとデートの約束してる日じゃねぇか!」

デートの日は、早く来て欲しい。
だが、宿題の提出期限は永久に来て欲しくない。
そんなジレンマに、伊織はばりばりと頭をかきむしる。

「早く31日にならねぇーかなー……。
宿題の提出日はそっとしておく方向で」

そんな無茶を呟きながら、伊織は机に向かい続ける。
宿題を片付ける、という名目ではあるのだが……。
彼のノートはなかなかまとまりそうにない。


FG発売まであと三日!
頑張れ桐嶋伊織!